工務店社長が今さら聞けない会計処理、減価償却の考え方
一言で言うと、設備投資などの費用を一定期間に分けて計上する会計処理のことです。
たとえば、100万円の中古トラックを購入した場合、会計上では一度に全額を経費として計上するのではなく、数年間に分けて費用として処理することになります。
これは、トラックのような資産は長期間にわたって使用されるため、一度の支出を単年度の損益計算に反映させるのではなく、その使用期間に応じて分割することで、より正確な利益計算をするための仕組みです。
例えば、耐用年数が5年のトラックを購入した場合、一般的な「定率法」で計算すると、以下のように減価償却費が計上されます。
初年度：400,000円
2年目：240,000円
3年目：144,000円
4年目：108,000円
5年目：108,000円
ただし、この計算方法はあくまで一例です。実際には「定額法」や「定率法」など、さまざまな方法があり、資産の種類によって適用される方法が異なります。
また、中古車の場合は「法定耐用年数」を基に計算されるため、新車とは計算方法が異なります。
すべての計算を細かく理解する必要はありませんが、次のようなポイントを押さえておくと経営に役立ちます。
〇減価償却の対象になるものを知る
建物、機械、車両、ソフトウェアなど、資産として計上すべきものを把握しておくことが重要です。
業種によっては、牛や馬、果樹なども対象になる場合があります。
〇償却期間の目安を知る
車両なら4～6年、建物なら10～50年など、大まかな耐用年数の基準を知っておけば、設備投資の計画を立てやすくなります。
〇税制優遇の活用を考える
たとえば、省エネ設備の導入を促進する「中小企業経営強化税制」や「中小企業投資促進税制」などの制度を活用すれば、即時償却（その年度に全額経費計上）できる場合もあります。
減価償却の知識があれば、適切な資産投資の判断ができるだけでなく、節税対策にもつながるのです。
※また社長様のご参加を必須とさせていただきます。ご了承の程、よろしくお願い致します。